Speech to Textとは?
Premiere Proに搭載されたSpeech to Text(音声テキスト変換)機能は、動画内の音声を自動的にテキストに変換し、字幕(キャプション)として書き出す機能です。Adobe Senseiが提供するAI音声認識エンジンを活用しており、多言語に対応しています。会議の議事録作成、インタビュー映像の文字起こし、YouTubeやSNS向けの字幕制作など、幅広い用途で活躍します。手動での文字起こしに比べて作業時間を大幅に短縮できるため、動画編集者にとって非常に重要な自動化ツールです。Premiere Proの公式ページから無料体験を開始できます。
対応言語と認識精度
Premiere ProのSpeech to Textは2025年時点で日本語を含む多数の言語に対応しています。日本語の認識精度は、明瞭に話された標準的な日本語であれば非常に高く、専門用語や固有名詞以外はほぼ正確に変換されます。
認識精度に影響する要素
認識精度に影響する主な要素には、音声の明瞭さ(マイクの品質、ノイズの有無)、話者の数(複数人が同時に話す場合は精度が下がる)、専門用語・固有名詞の多さ(固有名詞は誤認識されやすい)、話すスピード(非常に速い場合は精度が低下することがある)などがあります。
Speech to Textの使い方:基本手順
ステップ1:テキストパネルを開く
Premiere Proのメニューから「ウィンドウ」→「テキスト」を選択してテキストパネルを開きます。または「キャプションとグラフィック」ワークスペースに切り替えると自動的にテキストパネルが表示されます。
ステップ2:文字起こしを開始する
テキストパネルの「文字起こし」タブをクリックし、「シーケンスを文字起こし」ボタンをクリックします。設定ダイアログが表示されるので、以下の項目を設定します。「言語」では音声の言語(日本語)を選択します。「音声の識別」ではどのオーディオトラックを対象にするかを選択します。「話者を区別する」にチェックを入れると複数の話者を自動的に区別します(議事録に非常に便利)。「インタビューの音声を認識」オプションは人物インタビューに最適化された認識を行います。
ステップ3:文字起こし結果の確認・修正
文字起こしが完了すると、テキストパネルに発言内容がタイムスタンプ付きで表示されます。誤認識された部分はテキストパネル上で直接クリックして編集できます。テキストをクリックするとタイムライン上の対応する位置に再生ヘッドが移動するため、音声を聞きながら修正できます。
ステップ4:キャプションの作成
テキストパネルで「キャプションを作成」ボタンをクリックします。スタイル(字幕の見た目)、1行あたりの文字数、最大字幕表示時間などを設定できます。「作成」をクリックすると、タイムライン上にキャプショントラックが自動生成されます。
ステップ5:キャプションのスタイル調整
生成されたキャプションの見た目は「エッセンシャルグラフィクス」パネルで自由にカスタマイズできます。フォント、サイズ、色、背景色、位置などを調整して、動画のデザインに合わせた字幕スタイルを作りましょう。
議事録作成への活用方法
会議やミーティングの録画を議事録としてテキスト化する際のベストプラクティスを紹介します。
話者の区別機能を活用する
複数人が参加する会議の録画では、「話者を区別する」機能をONにすることで「話者A」「話者B」などとして各発言が分類されます。文字起こし後に各話者の名前を設定することで、誰が何を言ったかが明確な議事録が完成します。
テキストのエクスポート
文字起こし結果はテキストファイル(.txt)として書き出すことができます。テキストパネルの「…」メニューから「文字起こしをエクスポート」を選択します。Wordや他のツールに貼り付けて整形することで、正式な議事録として活用できます。
インタビュー文字起こしへの活用方法
インタビュー映像の編集では、文字起こし機能を編集効率化にも活用できます。
テキストベース編集(Text-Based Editing)
Premiere Proには「テキストベース編集」という強力な機能があります。文字起こしを完了させた後、テキストパネルのテキストを直接編集(不要な発言部分を削除したり、順序を入れ替えたり)することで、タイムライン上のクリップが自動的に対応して編集されます。映像をスクラブしながら編集する代わりに、文字を読みながら編集できるため、インタビュー映像の編集効率が飛躍的に向上します。
NGシーンの検索と除去
「えー」「あの」などのフィラー(無意味な言葉)が多い映像では、テキストパネルの検索機能で「えー」と検索し、該当箇所を一括で確認して削除するワークフローが効率的です。
| 用途 | 推奨設定 | 作業時間削減効果 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 社内会議議事録 | 話者区別ON・日本語 | 約70〜80%削減 | 固有名詞の修正が必要 |
| インタビュー字幕 | インタビューモード・話者区別OFF | 約80%削減 | 字幕スタイルの調整が必要 |
| YouTube字幕(SRT書き出し) | 標準設定・字幕に最適化 | 約85%削減 | タイミング微調整が必要 |
| テキストベース編集 | 文字起こし完了後に編集 | 約60%削減 | 精度の高い文字起こしが前提 |
字幕ファイルのエクスポート形式
Premiere Proで作成した字幕は様々な形式でエクスポートできます。YouTubeやVimeoへのアップロードに最適なSRT形式、放送業界標準のSCC形式、Webコンテンツ向けのVTT形式などに対応しています。「ファイル」→「書き出し」→「キャプションをエクスポート」から形式を選択してエクスポートできます。
精度向上のためのヒント
音声認識精度を最大限に高めるためのポイントをまとめます。まず録音品質を上げることが最も効果的です。外付けマイク(ラベリアマイクやコンデンサーマイク)を使用し、ノイズを最小限に抑えた録音を心がけましょう。既に録音済みの素材の場合は、Premiere Proの「エッセンシャルサウンド」パネルで「ノイズを低減」処理を行ってから文字起こしを実行すると認識精度が向上します。また、認識精度の低い専門用語や固有名詞は文字起こし後に一括置換機能を使って効率よく修正しましょう。
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