SNS別書き出しで毎回設定を繰り返していませんか?
YouTube・Instagram・TikTok・X(旧Twitter)・LinkedIn——これらのSNSプラットフォームは、それぞれ推奨される動画の解像度・アスペクト比・フレームレート・ビットレートが異なります。1本の動画を全SNSに対応させようとすると、毎回書き出し設定を変えて何度もエンコードする手間が発生します。
Adobe Media Encoder(AME)のプリセット機能と「キュー」を活用すれば、この繰り返し作業を完全に自動化できます。一度設定を作ってしまえば、次回以降はボタン一つで全SNS向けの書き出しが同時進行します。本記事では、SNS別プリセットの作り方から一括書き出し自動化フローまでを解説します。
各SNSの推奨動画スペック一覧(2025年最新)
| SNS | 解像度 | アスペクト比 | フレームレート | 推奨ビットレート | 最大ファイルサイズ |
|---|---|---|---|---|---|
| YouTube(横型) | 1920×1080 / 3840×2160 | 16:9 | 24/30/60fps | 15〜40Mbps(HD) | 無制限(128GBまで) |
| Instagram(フィード・正方形) | 1080×1080 | 1:1 | 24/30fps | 3.5Mbps | 4GB |
| Instagram Reels / TikTok | 1080×1920 | 9:16 | 30fps | 8Mbps | 1GB(TikTok)/ 4GB(Reels) |
| X(Twitter) | 1280×720 〜 1920×1080 | 16:9 | 30/60fps | 5Mbps | 512MB(無料)/ 2GB(Blue) |
| 1920×1080 | 16:9 | 30fps | 10Mbps | 5GB | |
| 1920×1080 | 16:9または1:1 | 30fps | 8Mbps | 10GB |
Adobe Media EncoderでSNS別プリセットを作成する手順
ステップ1:プリセットマネージャーを開く
- Adobe Media Encoderを起動する
- メニュー「ウィンドウ」→「プリセットブラウザー」を開く
- プリセットブラウザーの左下「+」ボタンから「新規プリセット」を選択する
ステップ2:各SNS向け設定を入力する(TikTok/Reels用の例)
- プリセット名:「SNS_TikTok_Reels_9x16_30fps」
- 形式:H.264
- ビデオコーデック:H.264
- フレームサイズ:1080 × 1920
- フレームレート:30fps
- ビットレート設定:VBR、2パス / ターゲット8Mbps、最大10Mbps
- オーディオ:AAC、48kHz、ステレオ、ビットレート320kbps
- 「OK」で保存する
この操作を各SNS分繰り返してプリセットセットを作成します。
一括書き出しフローの設定手順
ステップ3:プロジェクトをキューに追加する
- Premiere Proで編集済みシーケンスを開く
- メニュー「ファイル」→「書き出し」→「メディア」(Ctrl+M)を選択する
- 書き出しダイアログでYouTube用の設定を行い「キューに送信」をクリックする
- 再度同じシーケンスで「キューに送信」し、今度はTikTok用プリセットを選択する
- これをSNS分繰り返してキューに追加する
ステップ4:AMEで一括書き出しを実行する
- Adobe Media Encoderのキューパネルに全SNS向けの書き出しジョブが並んでいることを確認する
- 各ジョブの出力先をSNS別フォルダーに変更する(例:output/YouTube/、output/TikTok/)
- 「▶ キューを開始」ボタンをクリックする
- 全てのSNS向けファイルが自動で書き出される
Premiere ProのオートリフレームでSNS別アスペクト比を一括変換する
横型(16:9)で編集した動画を縦型(9:16)や正方形(1:1)に変換する場合、手作業でフレームを再構成するのは非常に手間がかかります。Premiere Proのオートリフレーム機能を使えば、AIが被写体を追跡しながら自動的に最適なフレーミングに変換してくれます。
- シーケンスを選択して「シーケンス」→「オートリフレームシーケンス」を選択する
- 変換先のアスペクト比(9:16・1:1・4:5など)を選択する
- モーショントラッキングの速度(遅い・デフォルト・速い)を選択する
- 「作成」をクリックするとAIが自動でリフレームした新しいシーケンスが生成される
- このシーケンスをSNS別プリセットでAMEに送って書き出す
監視フォルダーを使った完全自動書き出しフロー
AMEの「監視フォルダー」機能を使えば、編集済みプロジェクトファイルをフォルダーに入れるだけで自動的に書き出しが始まります。
- AMEのメニュー「ファイル」→「監視フォルダーを追加」を選択する
- 監視する入力フォルダーを指定する
- 自動適用するプリセットを選択する
- 出力先フォルダーを指定する
- 以降はフォルダーにファイルを入れるだけで自動エンコードが始まる
プリセットのチームでの共有方法
作成したプリセットはXMLファイルとしてエクスポートしてチームメンバーに共有できます。
- プリセットブラウザーで対象プリセットを右クリック → 「書き出し」
- 書き出されたXMLファイルをSlackやDropboxでチームに配布する
- 受け取った側はプリセットブラウザーの「読み込み」でXMLを取り込む
これにより、チーム全員が同じ書き出し設定で統一されます。
まとめ:AMEプリセット活用で書き出し時間をゼロに近づける
Adobe Media Encoderのプリセットと一括書き出しキューを活用することで、1本の動画を全SNS向けに書き出す作業が完全自動化できます。設定に15〜30分投資するだけで、以後の全プロジェクトで何時間もの節約になります。
Adobe Media EncoderはPremiere Proと同じCreative Cloudプランに含まれています。Adobe Media Encoder公式ページでも機能詳細を確認できます。まだ使っていない方は、今日からプリセットを作成してSNS別書き出し自動化を体験してみてください。

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